Vim のブログ

テキストエディター Vim の魅力、使い方のコツを初心者にも分かりやすく伝えていきたいと思います。

Vim のカスタマイズ 〜 set コマンド 〜

vimset というコマンドで様々な項目を設定できます。この設定可能な項目は option と呼び、それぞれの項目は固有のオプション名を持ちます。

option を有効するには、コマンドラインモードで set というコマンドを使います。具体的には、

:set オプション名

と入力します。無効にする場合は

:set noオプション名

とします。例えば、

:set number

とコマンド入力すれば、行番号が表示され

:set nonumber

とコマンド入力すれば、行番号は表示されなくなります。

:set オプション名?

と入力すれば、現在の値が分かります。

.vimrcに set コマンドを書くことで vim の起動時に自動的に上の設定項目を反映させることも出来ます。この場合は、

set オプション名
set noオプション名

と : (コロン)を書く必要はありません。以下、コロン無しで説明していきます。

option には、上のように有効無効を指定するものだけではなくて、数値や文字列で値を指定する事が出来るものがあります。

set オプション名=値

で指定して下さい。=(イコール)の前後には空白を入れないでください。文字列指定の option には、,(コンマ)区切りで複数の単語を組み合わせてリストで指定するタイプのものがあります。リストに単語を追加する場合は、

set オプション名+=追加したい単語

と記述し、単語を取り除きたい場合は、

set オプション名-=削除したい単語

と記述します。

ヘルプ を使って、 set コマンドの使い方や option 項目一覧を参照する場合は、 :h optionsというコマンドを入力して下さい。

さて、vim には compatible という option があり、これは vi との互換性を優先して、vim 独自の機能を制限するための option です。vi の互換性を優先する人はまれだと思いますので、 .vimrc の先頭にはまず、

set nocompatible 

と記入して下さい。これから、.vimrc に記入しておくことをおすすめする option 項目を、

に分類してそれぞれ紹介していきます。その後、それらをまとめたオススメ設定を公開します。

Vim のカスタマイズ 〜導入編〜

vim は非常に柔軟にカスタマイズすることが出来ます。

操作に慣れてきたら、自分好みに使いやすくカスタマイズしていきましょう。

vimのカスタマイズは、 .vimrc というファイルを作成して編集し、保存することで可能になります。.vimrc は下の通り、OSごとのホームフォルダの下に配置する必要があります。

(Windows は 環境変数 HOME にフォルダを指定することで、下のパスを %HOME%\.vimrc に変えることが出来ます。)

OS.vimrc のパス
Windows 7/Vista C:\Users\ユーザー名\.vimrc
Windows XP 以前 C:\Documents And Settings\ユーザー名\.vimrc
Mac OS X /Users/ユーザー名/.vimrc
Linux /home/ユーザー名/.vimrc

またGUI版の vim である gVim 固有の設定は、同じフォルダの .gvimrc に記入します。これらのファイルは vim / gVIm の起動時に自動的に読み込まれます。

カスタマイズは、大別すると、

  1. set によるオプション指定
  2. プラグイン/カラースキームの読み込み、設定
  3. キー割り当て変更
  4. 自動コマンド実行

の4つに分けられ、下に行くほど難しくなります。このブログでは上から順に説明していきたいと思います。

なお、.vimrc の代わりに _vimrc という名前で設定ファイルを作ることもできます。両方が存在した場合は、Windowsに限り、_vimrc を優先し、その他のプラットフォームでは .vimrc を優先して読み込むようです。

Vim のモード

モード

Vim が他のエディターと大きく違うのは複数のモードを持っている所です。それぞれのモードは出来る事と操作方法が違います。

Vim を正しく使うためには、現在 Vim がどのモードになっているかを意識することは不可欠です。以下に主だったモードを紹介します。

モード一覧

ノーマル(通常)モード
すべての基本になるモードです。ここから他のモードに移った後も、最終的にはこのノーマルモードに戻ってきます。カーソル移動スクロールを始め、検索アンドゥ(元に戻す)ウィンドウ分割などいろいろなことが可能です。
ビジュアルモード
テキストを選択するためのモードです。選択したテキストに対して、コピーや削除といった操作を行うことが出来ます。詳細は別のページで説明しています。
インサート(挿入)モード
文字入力を行うためのモードです。このモードでは、キーボードから入力した通りの文字が編集中のテキストに挿入されます。ノーマルモードからインサートモードに移るためのコマンドは幾つか種類がありますまた「変更」コマンドを実行したあともインサートモードに移ります。
コマンドラインモード
一連のコマンドライン文字列を入力します。最後に<ENTER>キーを入力して始めて処理されます。ファイルを開く、Vim を終了させるなど、一般的な GUI エディターでメニューを通じて行なっている事は、Vim ではこのコマンドラインモードで行うと考えて下さい。

Vim 操作方法まとめ記事のまとめ

vim は操作方法が他のどのソフトとも違うので、説明を読まずに使うことは不可能です。 ですが、vim の操作方法に関する情報は膨大にあるので、自分のレベルに応じたまとめを参照しないと、情報の消化不良を起こしてしまい、vim を使うのが嫌になってしまうかもしれません。

この記事では、ウェブ上にある様々な vim の操作方法まとめ記事を、どのように活用できるかという説明も添えて紹介していきたいと思います。

vimmerじゃなくても覚えておきたいviコマンドの基本
例えば、Linux で設定ファイルを変更しなくてはならなくなって、仕方なく vim (というよりvi) を使わないといけない状況になった。そんなときに参照できるような記事です。使いこなすというには全く足りませんが、テキストを編集するための最小限の事は載っているので、最初はここから覚えて行きましょう。
なるべく覚えないviエディタの使い方
「なるべく覚えない」とはおっしゃっていますが、上の記事に比べると、広い範囲を押さえているので、大体どういうことが出来るのか、という感触をつかめると思います。同じブログに全部覚えたいviの使い方という記事もあります。
Vim チート シート
PDF ファイルで、A3一枚に重要なコマンドが並べられています。いわゆるチートシートです。上の記事と大体同じレベルですが、PDFなので壁に貼ったりするのに向いているとおもいます。
VI Editor / Linux Terminal Cheat Sheet (PDF)
英語で書かれたチートシートです。デザインがカッコイイです。
Graphical vi-vim Cheat Sheet and Tutorial
こちらも英語のチートシートですが、キーボードのそれぞれのキーにコマンドの説明が書いてあるというところと、レベル分けにより覚える順番を示してくれているところが特徴です。
Vim Movement Shortcuts Wallpaper
こちらはチートシートの壁紙です。移動コマンドだけに特化しており、それぞれの移動コマンドが上下左右のどちらに向かうものなのかが視覚的に分かるようになっております。

ウェブの記事だけでなく、ヘルプも参考になります。

:h editing.txt

:h motion.txt

あたりも読んでみましょう。そして試してみましょう。

Vim のヘルプの使い方

vim はヘルプ(=説明書)が充実しているのですが、vim の使い始めの頃はヘルプ自体の使い方が難しいと思いますので、この記事が助けになればと思います。

ヘルプの起動方法

vim のヘルプは、vimを起動した後に、

:help<Enter>

もしくは

:h<Enter>

と入力することで起動できます。<Enter>は改行/エンターキーの入力を示します。

キーワードを付けるとそのキーワードについてのヘルプを表示することが出来ます。例えば、

:h help<Enter>

と入力すると、ヘルプ自体の使い方をヘルプで読むことが出来ます。キーワードには

:h CTRL-W<Enter>

:h write<Enter>

というようにキー操作やコマンドそのものを指定することが出来ます。これは非常に便利なので覚えておきましょう。また、

:h help |only<Enter>

というように最後に |only を付けると、普段上画面半分で開かれていたヘルプが画面全体で開かれるようになります。じっくりヘルプを読みたい場合にオススメです。

ヘルプの操作方法

:h help<Enter>

でも確認できますが、リンクをたどる方法は、

CTRL+] カーソル位置のリンク先にジャンプ
CTRL+O ジャンプ先から、ジャンプ元に戻る

です。また、

CTRL+U 上方向に半画面スクロール
CTRL+D 下方向に半画面スクロール

というのも覚えておくとヘルプを読みやすいと思います。

ウェブで読める vim のヘルプ

vim のヘルプは下のURLから読むこともできます。

http://vim-jp.org/vimdoc-ja/

Vim のインストール

Windows の場合

http://www.kaoriya.net/software/vim

でダウンロードしましょう。日本向けに翻訳とカスタマイズがされています。
32bit/64bitの違いがわからない場合は、32bit版を利用してください。
zip ファイルを展開して、どこか決まったフォルダに配置して下さい。中の gvim.exe をダブルクリックすると Vim が起動します。

Mac OS X の場合

http://code.google.com/p/macvim-kaoriya/

でダウンロードしましょう。こちらも日本向けにカスタマイズされています。dmgファイルをダブルクリックして中の MacVim ファイルをアプリケーションファルダにドラッグして下さい。

Linux の場合

Ubuntu, CentOS といった最近のディストリビューションではデフォルトで vim がインストールされているので、高度な拡張をするのでなければ、特にビルドやインストール作業は必要ありません。

gVim をインストールしたい場合は、

sudo yum -y install gvim

もしくは、

sudo apt-get -y install gvim

でパッケージマネージャーからインストールしましょう。

先輩 Vim ユーザーの記事に学ぶ 〜英語編〜

Vim ユーザーは世界中にいます。日本にかぎらず英語圏にまで目を向ければ、さらに有益な情報を得ることが出来ます。英語を聴いたり、読んだり出来る Vim ユーザーの方々にはさらに下の3つのページをオススメしたいと思います。

Vim Tutorial Videos
カナダ在住の Derek Wyatt さんが映像で vim の使い方を基礎から応用まで詳しく説明してくれます。ロックンロールな語り口に痺れます。マウスは邪悪なので投げ捨てろ!とのことです。超おすすめです。
VIM CASTS.org
こちらも映像による説明ですが、上よりは幾分落ち着いた感じです(笑)。
Coming Home to Vim
長い間アップデートのない TextMate に見切りをつけて vim に戻るまでの体験談。TextMate といえば、Mac で動く Cool なエディターの代名詞でしたが、そんなエディターより愛される vim ってやっぱりカッコイイ!という再発見をするための記事です。